☆"黒の優雅" ブラックサファイア・リングと『2003年10月の「ひと」MIHO氏』のご紹介
『豪華で迫力がある「黒」にこだわったリングをお揃いで製作して欲しい・・。』
各界でご活躍中のアスリートを旦那様に持つ奥様方が中心になり編成されている、とある婦人会がございます。その中心的メンバーの奥様T・N氏から斯様なリクエストを頂戴しましたのは本年初春の頃でございました。本数は募ったメンバー11人分。『オニキスのように平面的でただ黒いだけのものは不可、種類は問わないが黒い中にも輝きのあるカット石をメインに使用。又、対照的色合の「白」であるダイヤモンドをサイドに配し、黒と白の対照的色彩が交互に混在し、ボリューム的にもゴージャスではあるが、落ち着いた華やかさを醸し出す大人のためのリング。』と、まさに難題なご注文でした。その後、お話を頂いた弊社スタッフが使用石の検討を重ね辿りついた答えが「ブラックサファイア」です。今日、ブラックサファイアは日本では未だその存在自体が余り知られてはおりませんが、数十年前の欧米圏において当時の所謂セレブの間で大ブレイクした経緯もあり、昨今俄に再びその存在が注目されてきております。一見「黒」そのものであるブラックサファイアは、自然光を浴びる事によりサファイア本来の色である「ブルー」がほのかに浮び上がって参ります。
奥様方とは製作過程においても数回に渡る詳細なミーティングを重ね、希望デザインのイメージも事細かくご指定頂きました。『メイン石はオーバルシェイプで15mm×10mm前後サイズのものを横向きで使用。リング材質はWG製で全体的に丸みを持たせる。ハートパーツを部分的に加えキュートさも演出し、ボリュームは有るがカジュアルなデイリー使いにも対応可能なデザイン。』条件がほぼ纏まり弊社がまず着手したのがメイン石の仕入とご希望サイズへのシェイプカットでした。無論該当石のストックはなく、原産地数国に打診の結果、メイン石はスリランカ原産を入荷し日本国内にてカットしました。そのメイン石をベースに最終的リングの全体像を導き出し、ワックスで原型を製作(原型を準備することにより加工費用は大幅に安価になります。原型を作るのに費用はかかりますが、本数を纏めて製作すると償却される形となります。)、出来上った原型からサイドを埋め尽すメレー・ダイヤモンドとメレー・ブラックサファイアの数量及び直径の値を算出、再度それに見合ったメレー石をカットさせ揃えました。ダイヤモンドは通常の如くベルギーのアントワープから入荷。メレー・サファイアはカットコスト削減の為タイのバンコックにて行い、その間弊社スタッフも現地に赴き作業に立会って参りました。以上のように段階的に必要工程を消化し、気付けばご注文から早半年近くが過ぎ去ろうとしている頃、遂にこのようなリングが完成致しました。
この度のご注文は弊社創業以来最も製作時間を費やした作品となりました。しかしながらこのリング製作を通し、弊社主業務であるオーダーメイドジュエリーについて学び直し且つ気付いた点等も多く、難易度の高い斯様なご注文を与えてくれたお客様方には弊社社員一同慎んで厚く御礼申し上げる次第です。なお、このリングの仕上りに対するお客様のご感想は当ページご登場2003年10月の「ひと」であるお客様の表情から是非ご推測下さいませ。下記写真はメンバーのお一人であるお客様喜びのご様子です。
ブラックサファイア・リングを手に思わずニッコリの美穂さん。
今年も『世界陸上』をはじめ数々の感動をお伝え頂き誠に有り難うございました。
*このページは美穂さんご本人様のご了承を得た上で掲載を行わせて頂いております。